となり町戦争 三崎亜記

となり町戦争

となり町戦争


[内容]
ある日届いた町の広報誌には、「となり町との戦争のお知らせ」が記されていた。
戦争をやっているという実感をもてない中、
僕は町役場から偵察業務を依頼され、それを引き受けることになった。


戦死者は確実に出ているらしい。
しかし、なおも戦争前と変わらぬ生活が続き、
今度は敵地の拠点偵察という名目のもと、となり町のアパートを借りて
役場職員の香西さんとかりそめの結婚生活をはじめることになった。




[所感]
戦争という行為が町の事業としてたんたんとして進行する。
しかも、戦争に関する法令が決まっており、事務的に遂行され、
戦争をしているという実感を持てないまま物語は進む。
戦争の目的も判然としない。


戦争を他人事に考える日本人を皮肉っているようにさえ感じた。




[詳細]
となり町戦争