闇の喇叭 有栖川有栖
- 作者: 有栖川有栖,佳嶋
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2010/06/21
- メディア: 単行本
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[ストーリー]
3発目の原爆が京都に落ち、終戦を迎えた日本。
ソ連の支配下に置かれた北海道は日本から独立し、日本は南北に分断されていた。
徴兵制が敷かれ、探偵行為の一切を禁じられた平世21年。
北のスパイと思われる男が殺された。
前後して不審な女の目撃情報が寄せられる。
そして、北のスパイを探していた男の死。
探偵を両親に持つ、ソラの血が騒がないわけはなかった……。
[所感]
もう一つの戦後という大胆な舞台設定。
そういう舞台を作るからには、その舞台でしか使えないトリックで
読者を楽しませてくるだろうと予想した。
でも、重要なのはその点ではないと思う。
探偵行為が禁止され、探偵狩りが行われる世界で、不遇にあえぐ探偵の生き様を描き、
『推理小説に職業探偵が必要か?』という、いわゆる後期クイーン問題の一角に
作者なりの解答を見出そうとする<始まりの物語>ではないだろうか!?
[詳細]