嗤う伊右衛門 京極夏彦

嗤う伊右衛門 (角川文庫)

嗤う伊右衛門 (角川文庫)

[ストーリー]
民谷又左衛門は銃の暴発の事故で負傷し、お勤めもままならぬお役御免の身となり、
家を継ぐ婿養子を探していた。
娘の岩は、疱瘡を患っており、顔は醜くただれているうえに気性が激しい。
お家断絶を憂い又左衛門は、口のうまい小股潜りの又市に婿を探させ、
そこに生真面目な木匠の伊右衛門が民谷家の婿養子に入ることになる。


民谷家を取り巻く環境は尋常ではなかった。
婚儀の後、まもなく又左衛門は病死し、伊右衛門と岩の口げんかも絶えなかった。
これに目をつけた伊東喜兵衛は知略を巡らせて、伊右衛門を苦しめる。




[所感]
陰謀めいた事柄が複雑に絡み合っていて、
解きほぐすようにするすると読み解けて行った。
知略に長けた伊東喜兵衛に翻弄されていく伊右衛門と岩の姿は
本来想像していた四谷怪談とはことなるものであり、
おもしろい形で物語が紡がれていた。
最後のシーンは胸うたれるものがあった。



[詳細]
嗤う伊右衛門