神様のパズル 機本伸司

神様のパズル (ハルキ文庫)

神様のパズル (ハルキ文庫)

[ストーリー]

単位が足りずに留年の恐れのある綿貫は、卒業ゼミの担当教授の鳩村からある依頼を受ける。
それは人工授精によって生まれた天才科学者・穂瑞沙羅華をゼミに連れてきて欲しいというものだった。
穂瑞は飛び級で大学に入学したはいいが、大学は彼女をもてあましており、学校の体面のためにもゼミに出席されて卒業させたいというのである。
綿貫と穂瑞の出会いはそんなところから始まった。


ある老人の「人間に宇宙は作れるのか?」という疑問を切り口に、穂瑞はゼミに出席するようになり、ゼミの研究テーマがまさしく『人間に宇宙は作れるのか?』に決まった。
綿貫と穂瑞は『作れる派』として、『作ない派』とディベートすることになる。
負けたほうは単位取得に必要な評価ポイントはゼロという厳しい評価方法だ。


穂瑞は自分が設計した粒子加速器”むげん”の調整問題をかかえる一方、コンピュータによって宇宙創生をシミュレートする方法で”神のパズル”に挑んだ。



[所感]

はっきり言って、物理の分からない単語がたくさん登場するが、読み進めていくにそれほど支障は無く十分に楽しめる。
宇宙が作れるのかという問題提起にわくわくしながら読み進めた。


結末は意外にスマートだったと思う。
物足りないようでもありながら、きれいな終わり方だった気もする。


私としては、某小説のように「神はディスプレイの前でにんまりと笑った」というような最後の一文があれば面白かったのに…と、個人的に思った。



[詳細]
神様のパズル